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肌のデトックス

コラム

30歳~49歳の女性を対象に行われた意識調査によれば、コロナ禍のマスク生活が続く中で、スキンケアと肌の悩みが深刻化しており、肌トラブルを感じている人が9割にも達していることが明らかになりました。この状況から、生活や体内の不要な物質を排除する「デトックス」への関心が高まっています。デトックスの対象として挙げられたもののベスト3は、1位が「体内の老廃物」、2位が「ストレス」、3位が「肌の老廃物」であり、これらをクレンジングを通じて取り除き、マスクを外して通常の生活に戻る日に備え、肌状態をリセットしたいと考える女性が半数以上に上る結果となりました。

これに関連して、「肌をデトックス」する実際の方法についてどのような情報があるのでしょうか。

体内にたまる毒素

体内にはさまざまな有害物質が蓄積しており、環境ホルモンや有害ミネラルなどがその一例です。これらの毒素は我々が気づかないうちに蓄積されている現代科学で確認されています。具体的には、「有害化学物質」は健康や環境に悪影響を与える物質であり、水俣病やイタイイタイ病などがその例とされます。これらの病気は有機水銀やカドミウムなどが体内に蓄積されることで引き起こされました。

一方、「老廃物」とは、エビデンスがなく、定義が曖昧な概念であり、伝承医療や民間医療で使われています。一般的には、栄養素が体内で吸収・利用された後に残る不要な物質を指し、これが蓄積することで健康に悪影響を与える可能性があります。

酸化ストレス

呼吸によって体内に取り込まれる酸素の一部は、活性酸素となります。この活性酸素は、体内の代謝過程でさまざまな成分と反応し、その過剰な存在がDNAやタンパク質を損傷し、結果として細胞傷害を引き起こす可能性があります。これは現代科学(医学)において確認されている事実です。

ただし、一部の医学者は、活性酸素の産生が抗酸化防御力を上回る状態(酸化ストレス)が長く続くと、酸化ストレスによって細胞が傷つけられるという飛躍した考えを提唱しています。この考えはエビデンスが不足しており、一般的な合意が得られていないものです。

更に、この飛躍した考えのもとでは、食事(酸化した食べ物、食品添加物、残留農薬など)、合成化学物質(シャンプー、ボディーソープ、洗濯洗剤、化粧品など)、電磁波、ストレス、大気汚染、排気ガスなどが酸化ストレスを高め、体がサビついて老化が進み、様々な病気や体の不調、肌の老化を引き起こす可能性があるとされています。これが酸化ストレスの考え方です。

デトックスの方法

市場には「デトックスウォーター」「サウナ」「ファスティング(断食)」「足裏デトックス」など、さまざまな「デトックス」方法に関する情報があふれています。デトックスは、体内の毒素を排出することを指し、その排出経路としては、尿、便、汗、皮脂、垢、爪、髪、唾液、呼気などが挙げられます。しかし、現在の医療の観点では、体内の毒素を排出する主要な経路は腎臓であるとされています。

毒を出す力

「毒を排出する力」は、私たちの体に元々備わっています。ご存知の通り、言葉に表される「肝腎要(かんじんかなめ)」において、「肝臓」と「腎臓」は人体の要であり、最も重要な臓腑とされています。

・肝臓

肝臓は体内で最も大きな臓器であり、体重の約50分の1を占めています。その主な機能は、以下の3つです。

  1. 体に必要なタンパクの合成・栄養の貯蔵(代謝)
  2. 有害物質の解毒・分解
  3. 胆汁の合成・分泌(食べ物の消化に必要)

肝臓は食事から摂った栄養素を貯蔵し、必要に応じて分解してエネルギーなどを生み出します。また、体に有害な物質を変換し、排泄経路である尿や胆汁を通じて排出します。老廃物の一部は再吸収され、肝臓で再利用されることで、栄養素の生産とリサイクルの中心的な役割を果たしています。

・腎臓

腎臓は血液をろ過し、老廃物や余分な水分、塩分などを尿として排出する働きがあります。このプロセスによって体内の水分量やイオンバランスを適正に保ち、血液の酸性やアルカリ性を調節し、体内環境を適切に維持します。

・腸

腸は免疫機能を有する最大の臓器であり、約60%の免疫細胞が存在します。食べ物は胃と小腸で消化され、その後腸内細菌と混ざって大腸で便となり、体外に排泄されます。

これらの臓器が協力して栄養分を吸収し、老廃物を排出し、有害物質を解毒することで、健康な毎日を過ごすことが可能です。体内からの毒素排出の95%が便と尿であることからも、正常なデトックス機能の維持が重要であることが理解されます。

毒を入れない心がけを

デトックスは有害物質を体外に排出するだけでなく、できるだけそれらを体内に摂取しないようにすることも重要です。

有害な化学物質やミネラルは、わずかながらでも飲料水や畑の土、加工食品に含まれています。例えば、水銀はマグロ、化粧品、農薬、歯科の銀歯などから摂取され、鉛はヘアカラーやガソリン、アルミニウムはアルミ缶やアルミホイル、ベーキングパウダー、ヒ素はひじきや殺虫剤など、普段使っているものからも有害物質が摂取されています。特に喫煙者は水銀、ヒ素、カドミウムなどを高い割合で摂取する傾向があります。

これらの有害物質を解毒するためには、腎臓や肝臓の正常な機能が欠かせません。肝臓はアルコールやタバコのニコチンも中和します。デトックスを効果的に行うためには、アルコールや喫煙を極力控えることが望ましいです。食事においては、塩分の過剰摂取は腎臓に負担をかける恐れがあります。また、喫煙や過度のアルコール摂取は腎臓の機能を低下させる可能性があるため、これらも慎重に取り扱うべきです。

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